5月28、29日の2日間に新潟県中魚沼郡津南町に田植えの体験をしてきました。4月に入職した保育士の研修を兼ねた1泊2日の体験です。
新潟県の南端にある津南町は、棚田による魚沼産コシヒカリの生産が盛んな町で、冬には3メートルを超える雪が降り、肥沃な土地と雄大な自然、そして日本の里山の風景が残る美しい町です。
私たちの宿泊場所は、120年の歴史ある津南町立三箇小学校。平成20年に津南小学校と統合され廃校となりましたが、校舎は建替られてから15年ほどしか経っておらず、とても新しくきれいでした。
横浜を6時に出発してバスで約4時間ほどで三箇小学校に到着。昼食後、田植えについてのオリエンテーションを受け、5分ほど歩いて田んぼに到着しました。いよいよ田植えスタートです。
新潟県津南町の棚田にて
都会に住む私たちにとってお米はスーパーやコンビニで購入することが出来ますが、農家の方にとってはまさに生活そのものです。津南でも今では機械による農作業が主流ですが、地元の方のご指導のもと手作業による田植えをさせていただきました。
ここでは、田んぼの端から前向きに植えていくスタイルで、稲がなくなると「稲をください!」と声をかけ稲束を投げてもらいます。足元が泥のためバランスを取るのが難しく、かなり足腰に来ました。
先生方は、はじめは戸惑いながらも10分ほどするとコツをつかんだらしく黙々と田植えに専念し始めました。一方、子どもたちは土の感触に「きもちわる~!」と言いながら「ちょーたのしー!」と大盛り上がりでした。
田植え終了後は、子供たちはため池で泥んこ遊びに興じ、大人たちは日陰に腰かけたり、子どもに花の冠を作ってあげたりして自然を満喫して過ごしました。
学校に戻り、バスで20分ほどの所にある温泉施設「竜神温泉」で田植えの疲れを癒したあとは、 地元の方々と三箇小学校の校庭でバーベキューです!地元の食材に舌鼓!
【二日目】
翌日は、地元のお母さん方の手作りの山菜料理と焼き鮭をおかずに、おいしいコシヒカリの朝食を頂きました。
朝食後には、トウモロコシの種付けとサツマイモの苗を植えました。
畝の作り方や、鍬の使い方などを教えていただきました。
植えた苗には各自のネームプレートが差してあります。収穫が楽しみです。
昼食には大鍋で作ったカレーライスをみんなで頂きました。新しい保育士の先生方も率先して給仕をしてくれました。働いた後のカレーライスのおいしさに子供たちのおかわりが止まりません!地元のお母さん方、ありがとうございました。
昼食後、三箇小学校を離れ帰途につきます。
途中、水力発電所や見玉不動尊・苗場山麓ジオパークなど津南観光を楽しんだ後、横浜へと向かいました。17時には解散場所の根岸に到着し、田植え体験は終了です。
あっという間の2日間でしたが、私たち教育者にとって学ぶべきことがたくさんありました。
特に学ぶべきは、本物に触れるということ。
「自然と人が共存する津南での田植え体験」
「そこで生活する人々とのふれあい」
「世代の違う人達との交流と団体生活」
「田植えをする子供達の真剣な表情」
この体験で利用させていただいた水田は、農家の方が実際に耕している水田です。いわば生活の糧の一つです。その一つを利用させて頂いた私たちが、何を学ぶかが大切です。
新潟県津南町三箇小学校にて
この体験で本物に触れた保育士の皆さんは、子どもたちに本物の田植えを体験談として伝えることが出来ます。
土の感触、田植えの難しさ、日差しの強さ、風の心地よさ、雄大な自然、ごはん一杯分の稲の量、体を動かした後のごはんのおいしさなど…。
実際に体験した人の話は、心に深く残ります。子どもはとても敏感です。本物の体験談と読み聞いた体験とでは、子どもたちへの伝わり方は違ってきます。
平成生まれの先生が増えてきた今、田植えや畑仕事をはじめ、自分たちで育てた野菜などの「収穫の喜び」を知っている方も少なくなってきたと思います。日本が誇る優良米「魚沼産コシヒカリ」の田植えを実際に体験することで、保育士として今後の仕事に活かしてもらえれば幸いです。