「読み・書き・計算」は、自ら学ぶ力を養います。
「学ぶ力」とは、理解力・思考力・洞察力など、人間が生きていくために必要な力です。
大人が教えると、学ぶ力は育ちません。
自分で調べたり、自分でやってみることで、失敗と成功の中で経験値が高まっていきます。
私たちは、本からいろんなことを学び、悩みや苦しみを乗り越える知恵を学びます。
幼少のころから、先人が感じた喜怒哀楽を知ることは感受性の高い子供にとっては貴重な体験です。
手を動かす「書き」は、脳を活性化させるとともに、自分の指先をコントロールする集中力が必要となります。さらに、自分の頭の中にある思いを言葉にするアウトプットの訓練になります。
自分の意思を文字にできない大人も多いのではないでしょうか?
計算はまさに脳トレの最たるものだそうです。
計算をしているとき、人の脳の血流が増幅し活発に活動しているという研究報告があります。
脳が成長するこの時期に、計算をすることはとても大切なことだと考えています。
「夢中で走っていて柱に激突してしまった」そんな子供が実際にいました。
私たちの世代では、ありえないことですが、現代に生きる子どもたちの中には、危険を察する能力が低下している子供たちが多くなっているように思います。
「柱があるからよけなさい!」と教えられて育った子どもは、常に大人の保護のもとに行動してきた子です。自ら危険を察知して回避する能力や、洞察力や思考力が、まだ育っていない状態です。
これらの経験は、残念ながら教えて身につくものではなく、自らの経験と努力で身につけていくものです。
保育の仕事をしていると、つい手を貸してあげたり、失敗しないように導いてあげたくなります。
しかし、それをしてしまうと子供たちは自分で学ぶことが出来なくなってしまいます。
もちろん重大な危険があるときは、真剣に子供たちと向き合いますが、基本は子供たちが自ら危険を察知する能力を身につけることが大切なのではないでしょうか。
自ら考え、自ら判断し、自ら行動・実践する「自学自習」ができる子どもを育てるために「学ぶ力」が大切であるということが理解していただけましたでしょうか?
自分に向き合って努力している子供たちを、私たち保育士はいつも見守っています。
きのうの自分に勝てた喜びや、悔し涙、できた自分にびっくりして唖然とする子供の表情など、毎日が感動で満ちています。
子供にとっては、毎日が新鮮で新しい発見にあふれています。
本当に学ぶべきは、大人である私たちの「子供との接し方」なのかもしれませんね。